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バーサンオンライン編集部

 モンゴルJICAボランティアが自分たちの活動や生活を記事として毎週金曜日に更新し、隊員目線でモンゴルの今を伝えるサイトです!
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思い出の先輩隊員・ザスバルチン(修理屋)編

文と写真=冠城忠孝(かぶらぎ・ただたか)
平成23年度2次隊 青年海外協力隊
職種:PCインストラクター 活動地域:セレンゲ県スフバートル


 私がモンゴルに赴任したのは2011年の9月末。自分にとって初めての海外滞在であり、程なくして降り始めた雪に驚きつつ、首都ウランバートルにあるJICAのボランティア連絡所(以降、連絡所と略記)*で研修生活を送っていた。今にして思うと随分前の事だが、その頃の生活でとても印象に残っている事があるので、ここに書いてみようと思う。

*新規着任、帰国前、地方在住の隊員たちがウランバートル滞在時に宿泊する施設。打ち合わせや資料作成にも利用する。隊員間では、建物の名称を元にシュレンと呼称する事が多い。新規着任した隊員は、最初の約1か月間を連絡所で過ごす。この間にはオリエンテーションや現地学校を利用した語学研修等、活動地域着任前の最後の準備が行われる。

■発端・焼け焦げたOAタップ
 同期隊員達と共同生活する連絡所で、夕食の準備をしていた時だったと思う。突然電気コンロの電源が落ちて、下から焦げ臭い匂いが立ち上ってきた。炊事器具を接続していたOAタップが焼き切れたようだ。日本ではなかなかお目にかかれない現象に驚きつつ、JICA事務所に連絡して機器の損傷を報告した。

20130830_kab_1.jpeg
焼け焦げたOAタップ(左)とコンセント(右)
モンゴルではよく見かける光景

 しばらくしてやってきたのが、件の先輩隊員だった。お互いの自己紹介を済ませた後、先輩隊員は焼け焦げたOAタップを持って帰っていった。損傷したOAタップを証拠品としてJICA事務所に提出し、新品を購入するのだろうか、割と手続きが煩雑なのだろうかなどと思いを巡らせつつ、その日の夜は更けていった。

 後日、先輩隊員が再び連絡所へ来訪された。持って来られたのは例の焼け焦げたOAタップ。何と、分解して焼けてしまった配線を交換、修理したという。モンゴルの家屋のブレーカの多くが正常に(日本のように、というべきか)動作しない事、熱器具のような消費電力の大きい電化製品の使用に関する注意を2、3点教えてくださった後、帰って行った。
 後から聞けば、その先輩隊員は連絡所の備品が壊れた際の相談等を受け持っているという。他にも、電気湯沸かし器のスイッチが壊れた際に、スイッチだけを買ってきて修繕してくださったシニアボランティアもいらっしゃった。
 その方々にしてみれば何でもない事だったのかも知れない。しかし私は、その活動に深く感銘を受けた。日本で生活していたら、焼け焦げたOAタップを修理して使うだろうか? 湯沸かし器が壊れたら、普通はメーカに連絡するだろう? 自分たちで何とかしようというその姿勢が、深く印象に残ったのだった。

■変化・なんちゃってザスバルチン(Засварчин=修理屋)志向
 以来、自分の隊員生活に少しずつ変化が出てきた。自分にはシステムエンジニアの他に、短いながら小さな町工場の工員という職歴もあり、工作について多少の経験があった。その経験を活用して、こういった事態に対し、まずは自分で何とかしてみる、門外漢であってもとりあえず自分で考えてやってみるようになったのだ。
 もちろん手痛い失敗を蒙ることもあったが、自分でやってみると色々学べる事に気づいた。幸いな事に(?)モンゴルではこういった生活インフラの問題には事欠かないので、同任地の隊員の家に押しかけて鍵の修繕をしてみたりもした。自宅の水道管が破断して水が噴き出した時も、落ち着いて対応する事ができた。

20130830_kab_2.jpeg
水道管はモンキレンチで簡単に交換可能
価格も3000トゥグルグ(約200円)程度と安価

■結びに代えて・思う事
 現代の日本では多くの仕事が細分化され、それぞれの分野にそれぞれの専門家が存在している。それは安定した生活基盤やビジネスモデルをもたらしたが、我々から別の大切な何かを持ち去ってしまったのではないか。
 慣れない途上国での生活には、常に不安がつきまとう。しかし自分は、件の先輩隊員からそんな場所での生活の知恵を学ぶ事ができたと思う。
 先輩隊員は既に帰国され、自分ももうすぐ任期を終えようとしている。その方とはそれっきりだが、落ち着いた話し方と優しい東北訛りを今でも覚えている。自分の隊員生活も、後輩隊員たちに少しでも何かを残せただろうか。停電中の家でPCのバッテリ残量を気にしながら、そんな事を考えた。

・・・いや、さすがに停電は直せませんって。苦笑


タグ : 地名:ウランバートル市 隊次:23-2 ボランティア連絡所 連載

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