文と写真=木下聡(きのした・さとし)
平成23年度3次隊 青年海外協力隊
職種:環境教育 活動地域:ウランバートル市
今回は予告通り、6月15日の東京通り花植え活動の直前のドタバタと当日の様子について紹介します。
3月に計画、準備をスタートさせた東京通りの花植え活動は、花、土、水の問題をそれぞれエコロジー教育センター、ウランバートル市都市整備局、アパート管理組合と協力することで解決のめどが立ちました。
事前の手配を終えた後は花植えイベント当日の準備を進めなくてはなりません。日本人会*を中心として当日一緒に花を植えてくださる方々の募集、イベント中に掲げる横断幕と花壇に設置する看板の準備、エコロジー教育センターからの花の輸送手段の確保、じょうろ、スコップ等の購入、当日の作業の確認、などなど。そうした細かな準備作業に忙殺されている間に花植え当日が迫ってきたのですが、落とし穴は事前に解決したと思ってすっかり安心していた土の問題にありました。
*「在モンゴル日本人会」…モンゴルで働いている・学んでいる日本人、日系企業を対象に会員相互の親睦と福祉の増進並びに日本・モンゴル友好親善を図る事を目的とする会
花植え前の花壇(4月)
それまで花壇は昨年アパートの方が花を植えて以来手を加えられておらず、土は固く乾いて雑草が生い茂るという状況でしたので、まずはその土を掘り起こしてその上に新たに堆肥を混ぜた土を追加しなくてはなりません。しかし、気候が暖かくなるにつれて土と花壇の整備を依頼していた都市整備局の緑化担当部署がにわかに忙しくなり、市内各所の花壇の整備に追われて直前になっても東京通りの花壇の整備がほとんど進められませんでした。
多忙な担当者はなかなかつかまらず、つかまえても作業の確約がもらえずに焦りをつのらせる日々が続きました。すでにイベントは各方面に呼びかけられ、数十人の参加が見込まれており、今さら延期というわけにもいかない状況。結局、懇願を続けてようやく前日の午後に作業員がやってきて花壇の整備が始まりましたが、そこで新たに問題が発生。準備している苗の数から考えて、花壇全面の掘り起こしはNGと言い渡され、当初予定されていた花壇4面を使っての花植えは、直前になって規模を縮小せざるをえなくなりました。予め想定していたレイアウトも成立しなくなりますが、とにかく翌日に迫ったイベントを成立させる条件を整えることが最優先。しかしさらに追い打ちをかけるかのように、午後5時を過ぎると土が届かないまま定時で作業終了。前日のうちにと何度も念を押したにもかかわらず、結局は翌朝必ず持ってくるという言葉を信じるしかなく、大きな不安を抱えながら前日の準備を終えました。
そして迎えた花植え当日。朝8時、花植えイベントの開催2時間前に無事土を満載したトラックが到着。ほっと一安心も束の間、トラックは東京通りの路上に土をうず高く残して去っていき、後はご自分でどうぞと…。イベントは2時間後、とにかくやるしかないということで、自分ひとりから作業を始め、徐々に集まり始めた参加者の方々に手伝ってもらいながら、どうにか予定時間までに花を植えられる状態にすることができました。
早朝、路上の土を花壇に運ぶ
そんな直前のてんやわんやがあったものの、花植えイベントはほぼ予定通りの10時半にスタート。在モンゴル日本大使館から清水大使夫妻、日本人会から細川会長、都市整備局からエンフサイハン局長、そしてアパート管理組合の代表者の方に参加いただき、鍬入れ式を行いました。その後集まっていただいた皆さんでの花植えとなり、園芸にとても造詣の深い清水大使に植える際の注意などをご教示頂きながらみんなで用意した花の苗を植えていきました。直前まで土の準備に追われていたため、どこにどんな種類の何色の花を植えるのかについて多少の混乱が生じましたが、30分程度で土を用意した部分は苗で埋め尽くされました。結局、植えるスペースを縮小したため、用意した花の3分の1近くを植えることができず、アパートの方々にお願いするという展開になってしまいましたが、好天に恵まれ、たくさんの方々に集まっていただき花植えイベントは無事に終えることができました。
その後、開花まで予想以上に時間がかかりましたが、8月現在殆どの花が咲きそろい、ぐんぐん伸びるまわりの草に邪魔されながらも東京通りの景観美化に貢献しています。
左から筆者、清水大使、エンフサイハン局長、細川会長
みんなで花植え
8月現在の様子
リンク:
ゴミを拾って花を植えよう(1)第2回ゴミ拾い活動リンク:
ゴミを拾って花を植えよう(2)花植え活動・準備編
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隊次:23-3
地名:ウランバートル市
職種:環境教育
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