文と写真=高橋 冴(たかはし・さえ)
平成27年度3次隊 青年海外協力隊
職種:音楽 活動地域:ゴビ・アルタイ県アルタイ市
モンゴルにいる協力隊員の中で最も西で活動している高橋です。
モンゴルに来て早15ヶ月…周りのモンゴル人ともようやくスムーズなコミュニケーションが取れるようになってきました。
現在私は、ゴビ・アルタイ県第一学校に配属され、『音楽の先生』として活動中です。
モンゴルでは4年ほど前から日本に倣い、小学校3年生からの音楽の授業にリコーダーが取り入れられています 。
第一学校でも、私が赴任する1年前からリコーダーの授業が行われています。そのため、日々の活動の大半は3~5年生の授業に同行し、同僚に対して教科書にはない楽譜の提供や指導方法の提案です。。
そして第一学校では、毎年4月に学校市の文化ホールを借り、学校を上げての一大イベントであるの『音楽発表会』が催されています。
その準備は新年度初めの9月から始まるのですが、昨年度から校長先生に「日本のダンスを子どもたちにやってもらいたいから、サイハナー(同僚:ダンス専門)と一緒に教えてくれ。」と言われておりました。
■私×ダンス学生時代を思い返してみてください。
音楽の授業にダンスってありましたか?
そう、ないんです。私には専門外の分野です。。。
自分ができて、尚且つ日本っぽいダンス…と考えた結果 『よさこい』に決定!!
現在では、北海道の『ソーラン節』と融合し『よさこいソーラン』として全国的に有名ですが、元々 『よさこい』の発祥地は高知県。高知県出身の私も、小学生の頃は学校や子ども会で毎年踊っていました。
■『よさこい部』始動! 高知県庁おもてなし課の方々にご協力いただき、鳴子(よさこいには必須な楽器。両手に持ってカチャカチャ鳴らしながら踊るもの)をそろえ、曲を決め、昨年の10月から8年生(中学2年生)を中心に『よさこい部』がスタートしました。
「私の郷土の踊りで、毎年、夏のお祭りでたくさんの人が踊ってて、高知県だけじゃなくて他の県にもよさこいチームが存在してて、日本で有名で… 」と拙いモンゴル語で生徒に説明したのですが、ピンとこないのかほぼ反応はありませんでした。
しかし!最後に言った「よさこいは『良いこと、幸せ来い』って意味なんだよ。」に対しては「へぇ~。すごいね。」「良い踊りなんだね。」等々、たくさんの反応があり、素直に嬉しかったです。

『よさこい』DVD鑑賞。みんな食い入るように見てくれました。
■数々の難関 練習を始めてみて、「国や地域によって、得意な動きってあるんだな。」と思いました。
どの国、どの地域の伝統舞踊も日常の動きをモチーフに作られていることのが多いのです。
高知県の伝統舞踊『よさこい』の動きはモンゴルっ子たちにとって難しかったようでした。
最初の難関は『中腰』でした。
和太鼓・餅つき・薪割り等々で見られる、足を肩幅に開き、軽く腰を落とす『中腰』。
この姿勢を長時間維持するのは日本人でも辛いことですが、日本人なら誰でもなんとなくできるであろう『中腰』がモンゴルっ子たちには難しかったようで…内股だったり、足を開きすぎていたり、そもそも腰を落とせていなかったり…etc…
『静と動』も難関でした。
動くところと止まるところのメリハリがよさこいの美しさ、魅せ方だと思っている私。
対して、全ての動きを流してしまう生徒たち。一緒に教えている同僚も動きを流しがち。
これまで見たモンゴル舞踊を思い返してみても、確かにピッ!て止まる動きはなかったように思います。
苦手なんだと認識しつつも、根気よく要所要所で「とまれ!」を言い続けました。

やりきれない中腰

ここキメなのに…
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
『よさこい部』の珍事件、発表会当日までまだまだ続きます!
次週、『準備~発表会当日編』も読んでいただけると幸いです。
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273/
職種
音楽/
地名
ゴビ・アルタイ県アルタイ市