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バーサンオンライン編集部

 モンゴルJICAボランティアが自分たちの活動や生活を記事として毎週金曜日に更新し、隊員目線でモンゴルの今を伝えるサイトです!
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文と写真=篠原 学爾(しのはら がくじ)
平成26年度 4次隊 青年海外協力隊
職種:日本語教育 活動地域:ウランバートル市



第二回記事

 前回は、青年海外協力隊員(以下、青外隊員と略記)としての私の配属先である新モンゴル小中高一貫学校と活動対象たる生徒について概観し、彼らの間に兆し始めた、地殻変動とも呼ぶべき進路志向の変化にも触れました。
今回は、この学校における日本語の教え方の特徴と、それを踏まえた上での授業を通しての私の取り組み、及び日本語の授業以外に携わっている活動について書きます。

20160226_shinohara_1.jpg
夏期講習での作文の授業風景。
七月下旬から八月下旬にかけてのこの時期、
一般の公立学校は夏休みの真っ只中。
その辺りを考慮してか、講習期間中の制服の着用は
義務付けられていない。
一カ月間、生徒は日本語のみを集中的に学習する。


・配属先の日本語教授方法の特徴
 配属された当初から、この学校の日本語科の教え方で私が強い印象を受けているのは、音読と暗唱の課題を頻繁に課すことで、これは英語科でも同様です。学生だった時分に、国語や英語などの学習において、音読も暗唱も殆どやらされた記憶のない私は、最初かなり面食らいました。その驚きは、日本語学習歴二年そこそこの八年生の多くが、数度の音読で二〇〇から三〇〇字程度の文章を覚えこみ、それを教師の面前で唱えるのを目の当たりにした時に、感嘆へと変わりました。

 ただ、生徒の短期的な記憶力の高さに舌を巻く一方で、彼らの状態が知識の入力過多で出力過少であるように感じられることもありました。日本語の課題をこなす上で記憶したことを口頭で再現したり、日本語で最低限の挨拶をしたりすることはできても、校内や教室で私との間に生じる些細な用件を日本語で済ませたり、メモ書き程度の内容を日本語で書くことすら、できる生徒はそれ程多くなかったからです。こうした知識を取り入れる学習方式に、その知識を利用して何かを作り出す学習の要素をもう少し取り込めないものか、と思うようになりました。

 そこで、授業には、例えば、提示された絵の内容を表現するのに相応しい文を、既習の文法項目を用いて作るといった課題を取り入れました。

 また、授業外の時間には、ジャイカ(JICA、私たち青外隊員の母団体である「独立行政法人国際協力機構」の略称)に支援して頂いた日本語学習者向けの読み物教材を利用して多読活動を実施しています。生徒は、一冊読了する毎に私と一対一で内容についての質疑応答や説明を日本語でしますが、授業の一環でもなければ成績とも無関係な課題なので、気楽に取り組んでいるようです。

20160226_shinohara_2.jpg
夏期講習の合間を縫って挙行された、セレブ川における
生徒と教職員によるゴミ拾い。
左手奥に見える緑色の草地が川べり。
小雨がパラつく中、ゴミを袋ごとに分別して集めていく。


・授業以外の活動
 日本語教育職種の隊員として配属先の生徒に日本語の授業を行うのは、要請にも挙がっている関係上当然としても、それをこなすこと以外に何か自分なりの活動を起こしたいと、モンゴルに派遣される以前から私は考えていました。
 そこで始めたのが、日本語の絵本を、自分で読んだり他人に読み聞かせたりする活動を行う、生徒のクラブです。モンゴルの出版業界における絵本の出版点数が僅かであることや、読み聞かせの習慣が余り一般的でないことは、聞き及んでいたので、絵本を通してなら発展性のある活動ができるのではないかと考えた結果でした。

 このクラブは、二〇一五年の九月に、モンゴルの学校の新年度が始まるのに合わせて立ち上げました。クラブの活動目標としては、「日本語の本を自分で読む」と「日本語の本を他人に読む」の二点を掲げました。部員一人一人が自分の内と外の二領域で、読書という行為を深め、或いは広げていって欲しいからです。
 幸い、配属先の学校の夏期講習で私が受け持った作文の授業で絵本を扱った際に、積極的な反応を示した生徒達が入部してくれました。日本語の絵本は、配属先の学校の図書館のほかに、市内の図書館や大学などから借り出してきたものを利用しています。

20160226_shinohara_3.jpg
近隣の幼稚園での、日本語の本クラブ部員による読み聞かせ活動。
画像中の聞き手は三歳児。
担任の職員がそばにいれば、これぐらいの年齢の幼児でも、
椅子に座ったまま黙って語りに耳を傾けていられる。


 読み聞かせ活動を本格的に開始したのは、十一月半ば以降です。日本語に秀でたモンゴル人の大学生を引率して、週末を中心に幼稚園や孤児院などで読み聞かせ活動を行っている日本人の方と知り合ったことがきっかけでした。部員の生徒達を帯同して、自分の目論んでいた活動分野の先駆者であるその方に同行し、郊外のゲル地区の孤児院での読み聞かせ活動を見学させて頂いたのです。
 十一月十四日に、この大学生による読み聞かせを目のあたりにした体験は、生徒達が自分達自身の活動に乗り出してゆく上で、大きな刺激となったようでした。
 まず、その二週間後の十一月二十八日には、環境教育職種の青外隊員が中心となってウランバートルで開催された日本エコ祭という催し物で、多様な年齢層の聴衆を前にしての読み聞かせに挑戦しました。
 続いて、十二月九日より、毎週水曜日に配属先の校内で行う、下級生を対象にした読み聞かせ活動に着手しました。更に、十二月二十八日からは、幼児教育職種の青外隊員から紹介してもらった近隣の幼稚園で、毎週月曜日に読み聞かせ活動を実施しています。
 読み聞かせ自体は地道な活動ですが、地道だからこそ、定期的にしぶとく続けていくことに意味があると考えています。
 
部員の目に見えにくい活動の成果を少しでも実感できるように、また日本語で文章を書く練習になるように、読み聞かせを行うたびに活動記録をつけさせています。その記録は、読み聞かせの模様を撮影した動画と一緒にフェイスブックに掲載して部員や教職員と共有し、時間が経ってから振り返られるようにもしています。
 
 このように現在のところ、このクラブの活動は読み聞かせを中心に展開しています。上述した活動目標で言えば後者、つまり「日本語の本を他人に読む」の方に比重を置いていると言えるかもしれません。従って、部員自身が自分で読む活動の方も盛んにしてゆくことが、今後の課題だと思います。

 次回は、私が気づいた配属先の生徒の行動の特徴について述べ、この連載記事の締めくくりとします。




タグ : 隊次:264/ 職種:日本語教育/地名:ウランバートル市

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