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バーサンオンライン編集部

 モンゴルJICAボランティアが自分たちの活動や生活を記事として毎週金曜日に更新し、隊員目線でモンゴルの今を伝えるサイトです!
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モンゴル人にモンゴル語を教える日本人言語聴覚士

文と写真=林 万里子(はやし まりこ)
平成26年度4次隊 青年海外協力隊
職種:言語聴覚士 活動地域:ウランバートル市



こんにちは、言語聴覚士(ST)の林万里子です。
私がSTになったのは、さかのぼること8年前、全国にまだ9千名しかおられない頃でした。現在日本では、2万5千名のSTが誕生し、活動も充実してきています。一方モンゴルでは未だSTの育成が始まっておらず、それらに関する書籍も不足している現状です。 さて、「STってどんなことをしているの?」と思われている方も多いかと思います。大ざっぱに言えば、「その人に最も適したコミュニケーション方法を探り、獲得できるようにお手伝いをする仕事」ですが、他にも発音の修正をしたり、飲んだり食べたりする練習もしています。


そこで今回、私の配属先と活動について紹介します。 
 私の配属先は、「Сэргээн засалт хөгжлийн үндэсний төв」(セルゲーン ザサルト フグジリーン ウンデスニー トゥブ) という名前の国立リハビリテーションセンターです。ウランバートルの中心部、チンギスハーン広場から北東へ約4km。ゾーンアイルという、木材や釘、ドアや窓など、家を作る部品が売られている市場の隣にあります。そして、通称「ゲル地区」という、ゲル(モンゴルの移動式住居)や簡易的な家を建てて生活している地域が近くにあり、連日氷点下20℃~30℃を記録している12月下旬の今、その地域に住む彼らは暖をとるため石炭を燃やし、外は真っ白な煙が漂っています。

20160108_hayashi_1.jpg

この道をまっすぐ行くと「ゲル地区」です。右へ曲がると私の配属先があります。



20160108_hayashi_2.jpg

毎日ここを通りながら配属先まで通っています。真っ白な煙が漂っています。


 我々の病院には、理学療法士(PT) 2名、作業療法士(OT)1名、言語聴覚士(私1人)が現在在籍しています。私がここで担当している患者さんは、大人は脳卒中後遺症による半身麻痺者、その脳卒中が原因による失語症者(「聴く」・「話す」・「読む」・「書く」のいずれか、もしくは全てが出来なくなる)、麻痺性構音障害者(神経麻痺による発音のもつれ)、摂食・嚥下障害者(食物がうまく喉を通らなくなる)が多く、子供は脳性麻痺児(生まれつきの脳障害により身体や手足がうまく動かせない)、言語発達遅滞児(実年齢に比し言葉が遅れる)、機能性構音障害児(口腔器官に障害がないにも関わらず、発音の障害を有する)、聴覚障害児(生まれつき聴力に障害がある)などが主です。

 患者さんは、まず医師の診察を受けます。そこでSTのリハビリが必要か否かを医師が判断した後、我々のリハビリ室に来室されます。STとしての私の役割は、病態の確認はもちろん、本人やその家族に、今困っていることや、今後どうなりたいかなどを聞き、必要な練習の提案と指導をしています。患者さんは、決められた10日間という短い期間の中で、リハビリに取り組まれ、退院していきます。日本では脳疾患を伴えば5か月~6か月間は入院でき、集中的にリハビリを利用できるのに対し、モンゴルは10日間ですので、練習の成果が見えにくいのが現状です。従って退院時に、今後家庭での自主練習課題を渡す、本人や協力していただける家族の方に練習方法を教えるなどという指導を重点的に実施しています。
 
 このようにリハビリが必要とされる患者さんが多く来院・入院されている中で、我々の病院は一つ大きな問題を抱えています。各階への移動に必要とされるエレベーターがないということです。リハビリ室や治療室は1階、診療室は2階、入院病棟は3階にありますので、医師の診察やリハビリを受けるためには、必ず階段の上り下りが必要とされます。よって、自力で昇降できない方は、人々により車いすごと持ち上げられるか、もしくはおぶさってリハビリ室まで来室されています。現在、増築工事がされており、増築された建物にエレベーターが導入される予定です。しかし厳冬の今、作業は春まで中止されていますので、今年の夏頃までは工事が続くと思います。

 モンゴルでいつも感心していることは、おじいさんやおばあさんを尊重する気持ち、お互いが気軽に手助けし合える関係が築かれていることです。先に書いたように、階段の上り下りが出来ず困っている方がおられると、すかさず周りの人々は手を貸しています。リハビリ室に来室される時も多くの患者さんは家族の付き添いを伴っています。少し話がそれますが、モンゴルではバスに乗っている際、おじいさんやおばあさんが乗って来られた時、若者が席を譲る光景を私は何度も目にしています。日本は現在、文明の発展に伴い、このような光景が少なくなってきているように思います。何十年も前に忘れ去られてしまった習慣が、ここモンゴルには未だ残っていることを感じさせられます。

 以下の写真は最近通院されている子供さんたちです。彼らは脳性麻痺を患っており、うまく話すことができず、身体も思うように動かせません。教材はほとんど私の手作りで、必要に応じて製作しています。言葉の練習をしている様子と、色の仕分け課題を行っている様子です。


20160108_hayashi_3.jpg

しりとりとトランプの「七並べ」の要領で文字とマークに注意しながらお互いがカードを出し合うゲーム形式の言葉の練習です。



20160108_hayashi_4.jpg

すごろく。各箇所で何かのイベントがあり、遊びながら言葉の練習をしています。



20160108_hayahsi_5.jpg

色の仕分けを行っています。


 特に子供さんが退院される時は少し寂しさを感じてしまいます。ようやく懐いてきてくれた頃にお別れなのですから。しかし、モンゴルでも日本でも患者さんが笑顔でご自宅に戻られる時が、私たちが一番うれしく感じる時です。 

 私の言語聴覚士としての方針は、来院された以上、どんな原因・症状であれ、言葉に不自由を感じておられれば、リハビリを行います。病態の確認の結果、練習をする必要がないくらい症状の軽い人、もしくは何十年も前から症状を患っており練習をしても効果が期待できない人など様々です。しかし、何か一つでも患者さんが安心していただける助言ができたらと思い、日々活動に取り組んでいます。

 この記事を読まれた皆さんが、STの仕事に興味をもって下さればうれしいです。ご相談など、いつでもお待ちしております。

20160108_hayahshi_6.jpg

職員のみんなと週に1回日本語を勉強しています。「平仮名」を教えている写真です。

タグ : 隊次:264/職種:言語聴覚士/地名:ウランバートル市

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